研究課題/領域番号 |
19K20033
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
佐々木 丈予 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 契約研究員 (40772554)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心理的プレッシャー / 運動パフォーマンス / チョーキング / クラッチ / コーピングスキル / メンタルトレーニング |
研究実績の概要 |
心理的プレッシャーの克服は、競技会本番での実力発揮を目指すアスリートにとっての重要な課題のひとつである。この課題の解決のためには、プレッシャーが運動パフォーマンスに影響を及ぼすメカニズムを包括的に理解する必要があるが、これまでの研究はパフォーマンス結果が悪化することを前提とし、そのような結果が得られた研究成果が多く発表されてきた。しかしながら、スポーツの強化現場では、必ずしもそのような認識はなく、この問題に対する学術的な理解と現場の理解の間に乖離があった。この問題の解決を目標とし、本研究では「パフォーマンス結果の悪化」のみを前提とせずに、心理的プレッシャーが運動パフォーマンスに及ぼす過程に関連する因子ならびに因子間の関係性を、アンケート調査によって包括的に明らかにすることを目的とした。計画の1年目となる本年度は、プレッシャーが運動パフォーマンスに及ぼす影響を調べた研究の文献レビューを実施した。また、関連研究として、プレッシャー下での実力発揮に成功した際の心理的過程を明らかにした研究論文を出版した(佐々木ほか, 2019)。この研究では、プレッシャー下の実力発揮には、競技直前の「ふりかえり」や「開き直り」といった心理的過程が関わることをアスリートの語りによるデータから示した。このことは、包括的な理解のためには、プレッシャーの状況のみならず、アスリート自身のコーピングスキルに関わるデータを充実させることが必要であることを示唆している。これらの活動と成果を踏まえた上で、次年度以降に作成するアンケート調査票の項目を精査していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、計画していた文献レビュー、関連研究の学会発表、論文出版を目標とし、それぞれを遂行することができた。そのため、計画は順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに行った文献レビューと研究の成果を踏まえて、アンケート調査のための項目を作成する。これが完成し次第、予備調査を実施して内容を精査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
統計分析に使用するPCならびにソフトウエアの購入を見送ったためである。次年度において、予備調査と並行し、最適な構成のものを購入する。
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