研究課題/領域番号 |
19K20045
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
松村 将司 杏林大学, 保健学部, 講師 (60761004)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | バドミントン / 小学生 / 傷害 / 捻挫 |
研究実績の概要 |
小学生バドミントン選手の動的バランス機能に影響を及ぼす因子の検討を実施した。対象は研究に同意の得られた小学校高学年のバドミントン選手71名とした。除外基準は、測定に影響を与える整形外科疾患を有している者とした。動的バランス機能評価指標として、Modified Star Excursion Balance Test(以下、mSEBT)を用いた。開始肢位は、前方・後内方・後外方の3方向へテープを用いて引いた直線の中心での片脚立位とした。対象者は各方向へのリーチ動作を2回実施し、平均値を採用した。測定は左右軸脚を代えて実施した。筋力はハンドヘルドダイナモメーターを用い、股関節外転、膝関節伸展の最大等尺性収縮で測定した。足趾把持力は、足趾把持筋力計を用いた。それぞれ左右2回ずつ測定し、最大値の平均値を算出した。足関節背屈可動域の測定は軽度膝屈曲位とした背臥位で関節角度計を用い実施した。また、アンケートにより怪我の有無を聴取し、捻挫既往の有無によって捻挫群、非捻挫群の2群に分けた。捻挫群は17名(男性6名、女性11名)、非捻挫群は54名(男性22名、女性32名)であった。相関分析の結果、mSEBTにおいて捻挫群は左軸後内方で左膝伸展筋力(r=0.61)に有意な相関を認めた。非捻挫群は右軸前方で右足趾把持力(r=0.27)、右軸後外方で右足趾把持力(r=0.41)、左軸前方で左足趾把持力(r=0.30)に有意な相関を認めた。捻挫群は足趾把持力ではなく、膝伸展筋力という比較的、大きな筋で動的バランスをコントロールしている可能性が考えられた。また、非捻挫群は足趾把持力を使って動的バランスをコントロールしていることが示唆された。これらから、捻挫群は足関節戦略がとりにくくなっていることが推測された。現在はこれまでのデータの論文化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小学生バドミントン選手の練習環境の変化により、データ計測が十分に実施できなかったため。また、本研究へのエフォートを十分に避けなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
すでに計測が終了したものについて学会発表、論文化を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿に際し、投稿料、英文校正費などが生じるため。
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