最終年度は,アスリートの睡眠時ポリグラフ測定を実施し,アスリート特有の脳波の変化の検出,睡眠の質を評価するアルゴリズムの作成を試みた。本実験では,運動部に所属する大学生アスリートを被験者としたが,睡眠時ポリグラフ検査の結果,アスリート特有の脳波の変化やその特徴などの検出には至らなかった。 本研究では,アスリートにおいても心拍リズム解析により睡眠の質の評価が可能であるか検証し,また,運動負荷量と睡眠の質への影響を解明し,アスリートのコンディショニングを客観的に評価するシステムを開発すること目的とした。アスリートの睡眠時心拍・加速度データでは、アスリートにおいても心拍リズム解析による評価は可能であることが検証された。しかしながら,睡眠時ポリグラフ検査では,アスリート特有の脳波の変化による影響は確認されなかった。すなわち,アスリートを区別することなく,心拍リズム解析から睡眠の質の評価が可能であることが示唆された。以上のことから,睡眠の質を含めたアスリートのコンディショニングを客観的に判断する指標として,心拍リズム解析が有用であるという結果を得られたことは,大変有意義であった。
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