研究課題/領域番号 |
19K20050
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
関 慶太郎 日本大学, 文理学部, 助教 (90822239)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 効率 / バイオメカニクス |
研究実績の概要 |
前年度に実施した予備実験から、接地時間の影響を検討しておく必要があると考えた。このことから、接地時間の異なる鉛直方向への連続ジャンプを用いて、接地時間がエネルギーコストに及ぼす影響を検討した。この実験では、ジャンプのピッチは統一した上で自然に選択した接地時間と、意図的に接地時間を長くしたジャンプを3分間行わせ、そのときのエネルギーコストと下肢のバイオメカニクスを分析した。その結果、自然に選択した接地時間と比較して、接地時間が長いジャンプではエネルギーコストが有意に大きいことが明らかになった。また、下肢のバイオメカニクスにもいくつかの有意な変化が認められた。接地時間の長いジャンプでは、足関節の力学的仕事は有意に小さく、膝関節の力学的仕事は有意に大きかった。さらに、膝関節の伸展角力積も接地時間の長いジャンプで有意に大きかった。加えて、足関節の最大底屈角速度や最大背屈角速度にも有意差が認められた。これらのことから、接地時間の長いジャンプでは、底屈筋群のSSC筋活動が阻害され、足関節で十分な力学的仕事をなすことができなくなり、膝関節でその仕事を補償していると考えられる。それによって、接地時間の長いジャンプではエネルギーコストが大きかったと考えられる。 また、Sledgeを用いたジャンプの実験は、フィンランドにて実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、渡航が難しくなったため、実施を延期してきたが、今後も渡航して実験できる見通しが立たないため、日本国内で実施できるよう、Sledgeを製作する方向で検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年夏にフィンランドのユヴァスキュラ大学で実験を実施する予定で進めていたが、新型コロナウイルス感染症のために渡航が難しくなり、2020年冬に実験を延期して準備を進めたが、それでもなお渡航が難しく、フィンランドでの実験を中止せざるを得ない状況になったため、研究に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画より、フィンランドでの実験ができない場合には、フィンランドへの渡航費をSledgeの製作費用に充てることとしていたため、これに則り、日本国内でSledgeを製作し、実験を行う予定で調整を進めている。具体的には、ユヴァスキュラ大学からSledgeの仕様を取り寄せ、日本国内で製造可能なメーカーに設計を依頼しているところである。可能な限り早い時期に製作し、本実験を実施できるように調整する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
フィンランドで実験を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、フィンランドへの渡航が困難になり、実験が実施できなかったため、実験に係る費用が残った。今後は、旅費を実験機材の制作費に充て、日本国内で実験ができる体勢を整え、実験を実施することを予定している。
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