研究課題/領域番号 |
19K20050
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
関 慶太郎 日本大学, 文理学部, 助教 (90822239)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 効率 / バイオメカニクス |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルスの感染拡大により海外渡航が制限されており、実験を行う予定であったフィンランドへの渡航ができなくなった。そのため、日本国内で実験を実施するため、Sledge apparatusの製作をした。フィンランドで使用予定であったSledge apparatusの仕様を参考に、所属機関で所有しているフォースプラットフォームを取り付けられる仕様に調整して製作を行った。Sledge apparatusを製作したことで、フィンランドでの実験では分析ができない予定であった下肢キネティクスも分析できるようになった。 Sledge apparatusの新しい仕様に合わせて、改めて予備実験を行い、実験設定や測定機器の確認を行った。その結果、Sledgeの角度は18.5度、23.0度、27.5度の3段階に設定し、ジャンプの頻度は5秒に1回、試技時間は4分間とすることになった。測定項目は呼気ガス、下肢の動作、地面反力、下肢筋群の筋電図とした。また、被験者は大学陸上競技部でトレーニングを行っている中長距離走者15名とすることとした。 これらの設定で本実験を実施する予定を組んでいたが、新型コロナウィルスの感染拡大により、被験者の募集ができなかったり、呼気ガスの測定が望ましくない状況になったりしたため、何度も延期を繰り返し、遅れが生じた。 測定の結果、Sledgeの角度が高いときに酸素摂取量やエネルギーコストが高く、角度が低いときにエネルギーコストが低いことが明らかになった。しかしながら、実験日程の大幅な延期により、分析が予定よりも遅れているため、その他の結果については現在、分析を進めている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
6月下旬にSledge apparatusが完成し、7月から動作確認や予備実験を行い、8月に本実験を予定していたが、同時期に新型コロナウィルスの感染者が急激に増加したため、実験が中止・延期となった。その後も実験を再開を計画したが、感染者が減らないことや被験者を引き受けていただいた団体に感染者が出るなど、実験の実施が困難であったため、延期を繰り返した。その結果、実験の時期が予定よりも大幅に遅れた。そのため、分析、研究成果の公表が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
年度内に測定を終えることができたので、次年度は分析を進める。現在は、酸素摂取量など、算出が容易な項目での分析に留まっているため、下肢の動作やトルク、力学的仕事など、バイオメカニクス変数を算出した上で、統計処理を行い、結果をまとめていくことを予定している。また、フィンランドの共同研究者ともディスカッションを行い、学会発表や論文投稿の準備を進め、研究成果の公表を行うことを予定している。さらに、本研究で得られた課題をもとに次の研究計画の作成に取りかかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
早い段階で実験を終え、今年度中に研究成果の公表まで達成する予定であったが、実験の実施が遅れたため、分析を終了することができなかったために、研究成果の公表に関連する予算が未使用となった。これらの予算は主に、英文校正と投稿料として使用する予定のものである。次年度、早期に分析を終了させ、論文執筆を行い、残りの予算で英文校正料と投稿料を支払うことを予定している。
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