研究課題/領域番号 |
19K20051
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
朴 ジョンヒョク 日本医科大学, 大学院医学研究科, ポストドクター (80835843)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 一過性運動 / 高強度 / 乳酸 / 海馬 / ミトコンドリア生合成 |
研究成果の概要 |
長期間の運動トレーニングは海馬のミトコンドリア生合成を増加させることが報告されている。しかし、この増加に対する一過性運動の影響については明らかにされていない。本研究では、マウスに強度の異なる一過性運動(低・中・高)を課したところ、乳酸閾値を上回る高強度運動後のみ、海馬ミトコンドリア生合成の増加がもたらされた。その増加機序には、運動で高まる血中乳酸が脳に取り込まれ、海馬の乳酸輸送担体(MCT)の発現増加を介して海馬ミトコンドリア生合成の増加を促進することが明らかとなった。これらの結果から、一過性運動後の海馬機能向上に運動で高まる乳酸が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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自由記述の分野 |
運動生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動がミトコンドリア生合成にもたらす影響を調べた研究が増えてきている。しかし、それは長期間のトレーニングによる効果を示す研究結果が多い。本研究の成果は、一過性の運動、特に乳酸上昇を引き起こす強度の運動が脳、とりわけ認知機能を担う海馬領域のミトコンドリア生合成を高めることを明らかにした。一方、アルツハイマー病由来の認知機能低下では脳のミトコンドリア量の低下も報告されており、運動により脳のミトコンドリア生合成を高めることが運動による認知機能向上の重要な要因である可能性がある。従って、この後、健康の維持増進のために高強度運動を推奨していく上での重要な基礎的研究結果となりえることが期待される。
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