研究課題/領域番号 |
19K20052
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
阿久澤 弘 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (70823300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | シンスプリント / ドロップジャンプ / スポーツ |
研究実績の概要 |
足部運動協調性の測定を三次元動作解析装置で行うため,測定の信頼性検証を行った.大学女子ラクロス選手10名20足を対象に,30cmの台からのドロップジャンプを3回測定した.その後,反射マーカーを再貼付し,同様の試技を測定した.動作解析ソフトにて下腿,後足部,中足部,前足部,中足部セグメントを作成し,各セグメントの矢状面,前額面,水平面上の運動波形のデータ数を100%に変換し,3回の試技で平均した.得られたデータをCoeffecient of Multiple Correlation(CMC)を用いて2回の測定の一致度を検証した.CMCは1近いほど高い一致度を示すものである.CMCは後足部:底背屈0.97,内外転0.78,内外返し0.85,中足部:底背屈0.87,内外転0.61,内外返し0.71,前足部:底背屈0.87,内外転0.65,内外返し0.69であった.この結果はオープンアクセスジャーナルであるPLoSOneに投稿予定である. その上で,Medial tibial stress syndrome既往群(9名12足)と既往なし群(12名)の大学女子ラクロス選手のドロップジャンプ時の足部運動協調性を比較した.実験試技は信頼性検証と同様とし,3回のドロップジャンプジャンプを測定した.運動協調性の解析にはModified vector coding techniqueを使用し,各セグメント間の運動協調性を解析した.その結果,Medial tibial stress syndrome既往群は既往なし群と比較して,前額面,矢状面上の後足部挙動が中足部挙動に対して優位に大きい運動協調性パターンを呈していた.この結果は,現在Journal of Science and Medicine in Sportに投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
足部挙動測定の信頼性検証と,横断研究によるMedial tibial stress syndrome既往の有無による足部運動協調性の差を検証を行った.また,現在まで45名のドロップジャンプ時の足部挙動を測定して,前向きに障害調査を行っている段階であった.しかし新型コロナウイルス感染予防の影響で,現在大学の部活動が休止となっており,障害調査ができない状態となっている.また,新入生のドロップジャンプ時の足部挙動測定も予定していたが,そちらも同様の理由によって実施できていない.
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今後の研究の推進方策 |
今後,大学の部活動が再開され次第,障害調査を再開し,Medial tibial stress syndromeの発生状況を記録していく.さらに,新入部位の測定も同時に行い,被験者数を増やして解析を行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究費を使用して,測定に必要な消耗品(三次元動作測定用反射マーカーセット)を購入できたため,次年度使用額が生じた.しかし,それらの消耗品は再度の購入が必要になるため,次年度使用額を用いてそれらを購入する.また,オープンアクセスジャーナルに研究成果を投稿し,掲載料として使用する.
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