本研究の目的は,陸上競技場の走路について,レーンを区切るために塗布されているラインの幾何学的特性を用いて,カメラパラメータを推定する手法を開発することであった.そこで,カメラを取り付けるために用いた雲台をモデリングし,計測範囲外の既知点を撮影した画像と計測範囲内を撮影した画像に写っている既知点1点とラインから,計測範囲撮影時のカメラパラメータを推定した.再構築した精度検証マーカー135点の二乗平均平方根誤差について,提案手法と従来用いられている手法は,それぞれ,11.1mmと7.9mmであった.以上のことから,提案手法を用いることで,競技会を対象とした動作分析がより簡便になるだろう.
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