研究課題/領域番号 |
19K20057
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研究機関 | 大阪体育大学 |
研究代表者 |
藤原 敏行 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (80622795)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 上肢 / 圧力分布 / 地面反力 / 着手 / 支持 / 倒立 / 手 |
研究実績の概要 |
本研究は上肢支持運動における着手技術をバイオメカニクス的に分析し、運動実践現場において活用できる着手技術の即時評価・フィードバックシステムを開発することによって、より安全で効果的な運動実践現場の構築を推進すること、および身体運動科学の発展に寄与することを目的としている。 2020年度には、測定用機器の整備と予備検証を終え、上肢で身体を支える基本運動を行う際の、接地面圧力分布および地面反力、3次元動作のデータ測定を開始し、2021年度には、より幅広い対象を協力者として、さらなるデータ測定と、そのデータ分析を進めてきた。新型コロナウィルスの感染拡大予防に伴う学内入構禁止によって、データ測定スケジュールは大幅な変更が余儀なくされたが、大学生体操競技選手に加えて、小学生から、中高生の体操選手、さらに一般の大学生や社会人なども対象に、これまでに70名を超えるデータを測定した。 これまで測定された地面反力データの分析結果によると、腕立ての姿勢では正面支持、背面支持ともに平均約70%の負荷が上肢にかかることが示されており、データが蓄積されるに伴って、男性全体の平均が正面で73±3%、背面で72±2%であるのに対し、女性全体平均は正面で70±3%、背面で69±3%と、やや性差がある傾向が見られるようになった。この傾向は四つん這いの姿勢でも見られ、男性平均で43±5%、女性平均で40±5%であった。倒立、正面支持、背面支持、四つん這いなどの姿勢において、上肢の負荷の左右差に関しては、平均値として一定の傾向は見られず、利き手との関連や、競技に関わる側性の方向との関連は、今後の研究課題といえる。圧力分布データや姿勢の解析など、まだまだこれからの作業を要するものが多く残っているが、データ分析の遂行と並行して、フィードバックシステムのより具体的な構想を練り始めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度末からの新型コロナウィルス感染拡大予防の関連で、被験者候補および分析作業補助員が入構できなかったことは、データ測定だけでなく、データ処理、分析作業においても多大な影響を受けた。また、2020年度は急遽、遠隔授業対応が求められることとなり、その授業準備と授業実施において、例年とは比較にならない時間と労力を要し、研究実施全般へのエフォートの低下が避けられない状況となったことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
映像分析と圧力分布データの解析を進め、上肢で身体を支える際の着手技術に関して、パフォーマンス向上とリスクファクター評価に繋がる評価項目を探索する。また、圧力分布データを、映像および地面反力データと合わせて表示する即時フィードバックシステムの開発を開始する予定である。データ処理作業には当初の予定よりも研究補助員を増員して、遅れている分を少しでも挽回できればと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行の遅れに伴い、データ分析補助、プログラム開発等への支出時期もずれこんでいる。2021年度中には、データ分析補助に当初の計画以上に経費を投入して全体的な作業遅延に対処することを計画している。また、フィードバックシステムの具体案が固まり次第、プログラム開発に着手する予定である。
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