研究課題
若手研究
本研究では,美しい歩容と美しさを求めた足関節底屈位に対する適応とその補償,これらの特長と副作用的側面とを調査および実験的に明らかにすることを目的とした.まず,歩容がより美しいを評価された歩行の歩行パラメータを明らかにした.足関節底屈位を強いる踵部の高いシューズを履くことは,一定程度身長や脚長を割り増しして見せる効果があるが,これらの効果と美しいと評価される歩容の要因は一致しなかったことや,補償的な動作や筋活動が,健康被害を引き起こす可能性を示唆するものであったことが本研究の興味深い点であった.
バイオメカニクス
本研究では,歩行動作について一般的視点で美しいと評価される一定の尺度が示されたことで,日常生活動作における振る舞いを向上させるひとつの視点を得た.また,美しさを求めて履いたハイヒール靴での歩行動作が,足関節の底屈(つま先立ち)を強いた状態になることによって,一部の筋が歩行動作に機能しないこと,またそれを補償するような動作や筋活動が示された.その動作は長期的に動きとして定着してしまう可能性があることが示唆され,健康被害の予防的観点を検討する有益な知見が得られた.