研究課題/領域番号 |
19K20062
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
大前 佑斗 日本大学, 生産工学部, 助教 (00781874)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 機械学習 / 人工知能 / 深層学習 / スポーツ科学 |
研究実績の概要 |
本研究では、アスリートから得られる慣性信号から、あたかもトレーニング指導員が指導しているように、競技に関わる身体動作のクオリティを自動判定するアルゴリズムを開発し、それをシステムに実装することを目標としている。 本年度は、解析環境の準備のため、慣性センサが導入されたデバイスとして、apple watchを購入した。これにより、人の動きを慣性データとして取得可能になった。また、過去に取得してきたスポーツ競技に関わる身体動作遂行時のデータ分析を実施している。具体的には、サッカーについてはシュートフォーム、バドミントンについてはサーブ、テニスについてはフォアハンドストローク、競泳についてはクロール・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライが対象である(サッカー、バドミントン、テニスとは異なり、競泳では防水型の慣性センサでデータ測定を行なっている)。 簡易的に検証した結果、慣性センサデータ(サンプリング周波数100Hz、加速度レンジ±16G、角速度レンジ±2000dps、X軸、Y軸、Z軸加速度と角速度)から算出できる時間領域成分のハンドクラフト型特徴量(平均値・分散値)により、12次元の特徴量ベクトルを構成することで、クオリティの良し悪しを分離できる可能性があることが確認された。 クオリティの良し悪しが分類できるということは、アスリートが身体動作を行なった後、そのクオリティを自動判定できる可能性ができることを意味している。そのため、この結果は有益と言えるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サッカーのシュートフォーム、バドミントンのサーブ、テニスのフォアハンドストローク、競泳におけるクロール・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライの加速度・角速度信号データを取得しており、そのクオリティに関するデータも準備することができた。また、簡易的な分析環境の構築も終了し、基礎的なデータ分析により、クオリティの自動判定が行える可能性を、部分的に検証することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
現状、慣性信号における時間領域のハンドクラフト型特徴量、そしてその一部である平均値と分散値しか使用していない。時間領域の特徴量の中には、そのほかにも、尖度、歪度、ヒストグラムエントロピーといった多数の特徴量がある。また、フーリエ変換やウェーブレット変換などから得られる周波数領域特徴量については未だ分析できていない。そのため今後は、この点の分析に努める。そのほか、畳込みニューラルネットワークやオートエンコーダなどのディープラーニング技術を用いて、より高い精度のクオリティ判定モデルが構築可能かについても、検証していく予定である。良いモデルができた後は、実際に使用可能なシステムを構築し、アスリートを対象としたユーザビリティ調査などを行いたいと考えている。これらの分析を実施しながら、学会発表、論文執筆、国際会議での発表などを続け、広く外部公表にも努めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際会議参加および発表に関わる費用が、当初想定していたよりも安価に済んだため。また、論文出版などの状況が異なった。2019年度に執筆した論文の公表が2020年度以降にずれ込むことになったため、差額分を論文出版費として計上する。
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