研究成果の概要 |
本研究の目的は, 長距離ランナーへのトレーニング効果を検討するために, 1) 低酸素トレーニング中の異なる休息方法 (アクティブレスト[AR]vsパッシブレスト[PR]) および2) 異なる方向 (水平vs鉛直) のプライオメトリックトレーニング(PLY) による高強度ランニングエコノミー(RE)および最大酸素摂取量(VO2max)の変化を比較することであった. 5日間連続の低酸素トレーニングによって両群ともに高強度REは改善が示されなかったが, AR群においてVO2maxの有意な改善が認められた. 週3回4週間のPLYでは両方向ともに高強度REおよびVO2maxの有意な改善が示されなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では高強度REを改善させるトレーニングを明らかにできなかったが, 5日間の低酸素トレーニングによってVO2maxの改善を認めた. 専門的な長距離ランナーはすでに優れたVO2maxを有しているため, 短期間でVO2maxを改善させることは困難であると知られているが, わずか5日間で改善できることが確認された. 研究代表者はすでに5日間の低酸素トレーニングによって低強度REを改善させることを明らかにしている(研究課題:17H07403). つまり, これらの知見を組み合わせることによって, 長距離ランナーの有酸素性能力に応じた短期間の低酸素トレーニングをオーダーメイドできると考えられる.
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