本研究では、体組成測定結果を用いて運動習慣の形成を促進し、その効果を明らかにすることを目的として調査を行った。 本年度は、兵庫県姫路市の小学6年生281名を対象として調査を行った。その内、調査への参加に関する同意が得られた児童から欠席者を除いた230名(男子114名、女子116名)を対象に体組成測定を行った。前年度までと同様に二重エネルギーエックス線吸収測定法(DXA法)による体組成測定装置(Hologic、QDR4500)を搭載したバスを学校に持ち込み体組成測定を行う予定であったが、機器の不調により途中で測定ができなくなったため、本年度は業務用マルチ周波数体組成計(タニタ、MC-980A-N plus)を用いて測定を行った。 尚、本研究は近畿大学医学部倫理委員会の承認を得て実施した。また、体組成に関連する生活習慣を検討するため、生活習慣に関するアンケート調査も実施した。アンケートは、運動習慣や運動への意欲、身体活動量、食習慣、睡眠習慣、ゲーム等メディアの使用、ダイエット経験等を調査した。 2019~2021年度の3年間において追跡できたのは男子51名、女子47名であった。2019年度と比較したところ、2020年度は男女ともに身体活動量が有意に減少していた。また、1日に体を動かす遊びをしている時間についても同様であった。新型コロナウイルス感染症の流行により大きく生活環境が変わってしまったこともあり、3年では当初の目的は達成できなかったが、引き続き研究を行っていく予定である。
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