研究課題/領域番号 |
19K20076
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研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
柴山 一仁 仙台大学, 体育学部, 准教授 (50634060)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 地面反力 |
研究実績の概要 |
本研究では,距離を変化させた1歩ハードル走と3歩ハードル走の踏切および着地動作を比較することにより,1歩ハードル走を技術トレーニングとして用いる際の留意点について明らかにするとともに,ハードル間の距離を選択するための指標を作成することを目的とした. ハードル走を専門とする熟練者11名を対象として,3歩ハードル走および1歩ハードル走それぞれの3台目ハードルの踏切から着地までの区間を,三次元自動動作分析装置を用いて250Hzで測定するとともに,走路に埋設した4枚の床反力計をシステムと同期させ,踏切および着地における地面反力を1000Hzで測定した.ハードル間の距離は,先行研究をもとに2m,3m,4mの3種類とした. その結果,踏切局面では,固有試技と比較してハードル間距離が2mでは最も支持時間が長く,ハードル間の距離が増加すると支持時間が減少して固有試技に近づく傾向にあった.水平方向の地面反力は,減速成分のピーク値がいずれのハードル間距離でも固有試技より小さい傾向を示したものの,加速成分のピーク値はハードル間距離が4mの試技で固有試技に最も近く,ハードル間距離が減少するとピーク値が低下する傾向にあった.鉛直方向の反力は,ハードル間距離が2mでは固有試技よりも小さい傾向を示したものの,ハードル間距離が3mと4mの試技では固有試技に近い値を示した. 以上のことから,踏切局面においてはハードル間距離が3mおよび4mの試技で固有試技に近い特徴を示すものの,水平方向の減速量に関しては異なる特徴を示すことが明らかとなった.これらの要因として,疾走スピードが異なることなどが考えられる. 今後は,動作も含めてさらに詳細な検討を行っていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね研究計画書に記載した計画通りに進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,予定していたトレーニング実験の実施が困難な状況にある.現在まで収集したデータのさらなる分析に加えて,実験方法の修正を含めて,可能な限り事前の計画に沿って研究を遂行できるように検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大により、学会等への旅費支出がなくなったため。 今年度の状況次第ではあるが、昨年度参加できなかった学会への参加費用や、追加実験の費用として支出予定である。
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