研究課題/領域番号 |
19K20082
|
研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
森 健一 武蔵大学, 人文学部, 准教授 (60637510)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | コントロールテスト / 発育発達 / PHV / PHVA / 体力測定 / 成熟度 |
研究実績の概要 |
ジュニア期においてどのようなトレーニングを行う必要があるのかを体系的に示すことは、アスリート育成パスウェイにおいて重要な課題である。そして、成長期には早熟、晩熟といった生物学的成熟度の個人差が大きく存在する。この成熟度の遅速は、体格や運動能力の優劣に影響するため、競技者を評価する際には考慮する必要がある。 そこで、運動部に所属する男子中学生125名を対象に、身体計測およびコントロールテスト(50m走、立幅跳、立五段跳、片足ホッピング、クイックジャンプ、メディシンボール投げ、握力、自転車ペダリングテスト)を実施した。身長、体重、座高および生年月日よりPHV相対年齢(PHVA)を推定し、PHVA発現の前後において群分けをした。主な結果として、PHVAと各種コントロールテストパフォーマンスとの間には、postPHVA群ではすべての項目で有意な相関関係が認められたものの、prePHVA群では立幅跳および自転車ペダリングテスト(絶対値)にのみ有意な相関関係が認められた。また、50m走タイムとコントロールテストパフォーマンスとの関係は、postPHVA群において、すべての項目で有意な相関関係が認められた。これらのことから、PHVを基準とした発達傾向から検証するとコントロールテストパフォーマンスの結果は異なることが明らかとなった。 次年度は、女子中学生のデータを収集・分析するとともに、縦断的なデータの分析を実施し発育発達の個人差の影響について検証を行っていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中学生における発育発達の個人差による影響を検討するため縦断的にデータを収集しているものの、新型コロナウイルス感染症に伴う学校部活動の活動中止や陸上競技場などの施設利用不可の理由により、コントロールテストを継続的に実施できない状況にあった。そのため、測定時期によってはデータの欠損が生じ、またデータ数も十分に確保できているとは言い難い状況である。一方で、横断的データの収集は順調にデータを得られているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
縦断的なデータ収集のため、継続してコントロールテストを実施する。そして、女子選手のデータ収集を積極的に実施する。また、縦断的データの分析を行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス禍のため、測定調査が行えず未使用額が生じた。次年度請求額と合わせ、2021年度以降の測定調査の費用として使用する計画である。また、測定が困難な場合は、資料購入費の一部として使用する計画である。
|