研究課題/領域番号 |
19K20088
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
内藤 景 福井工業大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60757558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 方向転換走能力 / COD Deficit / 縦断的発達 / 疾走能力 |
研究実績の概要 |
多くの球技系競技で求められるアジリティは、視覚などの情報刺激に反応しながら、身体の動く方向やスピードを急激に変化させる運動能力であると定義されている。このアジリティは、意思決定のプロセスと方向転換走(Change of direction:COD)能力によって構成され、方向転換走能力は刺激への反応を伴わずに、予め決められた方向へ身体の動く方向やスピードを変化させられる運動能力である。この方向転換走能力はタレント発掘や選手選抜の一要素になることが、これまでの研究で報告されている。しかし、これまでの方向転換走に関する研究では、スタートからフィニッシュまでに要した合計タイムで能力の優劣を評価しており、直線の疾走能力を踏まえた評価があまり実施されてこなかった。そのため、近年では方向転換走の合計タイムから直線走のタイムを差し引くことで算出されるCOD Deficitを用いた方向転換能力の評価が必要であると指摘されている。このCOD Deficitを用いて、子どもの方向転換走能力の縦断的発達を検証した研究はほとんど行われておらず、日本人の児童を対象に運動能力の発達を検証することが必要である。 そこで本研究の目的は、児童期における方向転換走能力の縦断的な発達の特徴を明らかにすることであった。児童期後期にあたる10歳~12歳の男子および女子を対象に、身長・体重、方向転換走能力(505CODテスト)、疾走能力(20m走)、跳躍能力(CMJ・RJ)の2年間の変化を評価する。令和2年度は、小学4年生が男女11名、小学5年生が男女25名、小学6年生が男女16名のデータを収集することができた。小学4年生から6年生にかけての縦断的な発達の特徴を検証することを目的に、現在、収集したデータの分析中である。また、本年度も同様の測定を実施し、小学4年生から6年生の縦断的なデータ数をさらに増やしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、小学校4年生~6年生の縦断的なデータを収集できているため。
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今後の研究の推進方策 |
小学校4年生から6年生にかけての縦断的なデータを収集できた被験者を対象にして、方向転換走能力および疾走能力、身長および体重の縦断的な発達を分析し、学会発表や論文投稿を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの感染拡大により、県外出張による学会発表を取り止めたため。
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