研究課題/領域番号 |
19K20091
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研究機関 | びわこ成蹊スポーツ大学 |
研究代表者 |
大西 祐司 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 講師 (00756760)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ダンス / 恥ずかしさ / 体育 / 運動有能感 |
研究実績の概要 |
本研究はダンス授業を阻害する「恥ずかしさ」の構成因子と運動有能感との関連を明らかにし、運動有能感を高める指導方略を援用した「恥ずかしさ」を軽減する方略の有効性を検証することを目的としている。目的達成に向けて、3つの課題を設定している。 昨年度までに課題1「ダンス授業における恥ずかしさの尺度を作成し、構成因子を抽出する」に関して、ダンス教育の専門家に対するインタビュー調査を終え、ダンス授業における恥ずかしさの要因について以下の内容を明らかにしている。 ダンス授業の恥ずかしさの要因について、4つのカテゴリー及び16の概念が作成された。1つ目のカテゴリーは、他者の視線による公恥(embarrassment in the public)(目標や評価の曖昧さ、対人不安)、2つ目は、自らの視線による私恥(embarrassment in the private)(自らの姿が把握できないことや動機付けされてないこと)、3つ目は、ダンスの運動特性(到達度の見えにくさ、表現や感情移入への抵抗感)、4つ目は、学習環境(クラスの人間関係、教員の立ち振る舞い)である。特にダンスの自由な表現の特性によって、目標や評価が曖昧になり、学習者の不安感を生じさせていた。それらを受け止める学習集団や教師の存在が重要である。 今後はこれらの要因と既存のシャイネス尺度等の質問紙を照らし合わせ、質問項目を設定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は3つの課題で構成されているが、課題2「ダンス授業における恥ずかしさと運動有能感の関連を検討する」から学校現場に出向く研究方法をとる。一昨年度末からの新型コロナウイルスの蔓延により、部外者の参入が厳しくなっていることに加え、平時の教育活動の運営だけでも多忙を極める学校及び教員に研究依頼するのは緊急事態等の兼ね合いで難しく、頃合いを見計らっている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
課題2は何とか今年度中に完了させる。課題3「恥ずかしさを軽減する指導方略を考案し、その有効性を検証する」に関しては、1-2ヶ月程度、学校に出向き参与観察することになるため、コロナ禍を鑑みながら研究期間を引き伸ばすことも視野に入れながら調整を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究にやや遅れが生じており、研究期間の延長も検討している。今年度遂行できなかった研究に差額を当てる予定である。
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