本研究の目的は、情意・社会的領域の学習成果に対応したダンス授業の指導及び学習の在り方を明らかにすることであった。目的達成に向け、①協同学習モデルを適用させたダンス授業の計画の立案、②立案されたダンス授業の実践を行い、情意・社会的領域に関する学習成果がみられたかを調査、③協同学習モデルを適用させたダンス授業において、情意・社会的領域の学習成果を規定する指導及び学習上の重要な要因を明らかにするといった3つの課題を設定し、本年度は、昨年度に引き続き、課題3である観察者のフィールドノート及び実践者へのインタビューといった質的データから情意・社会的領域の成果を規定する要因を帰納的に明らかにする点について取り組んだ。具体的には、調査者に分析データを閲覧していただき、メンバーズチェッキングを兼ねて、ナラティヴ・ストーリーの生成過程に参加していただいた。また、データ分析の完了とともに投稿論文の執筆に取り組み、データの公表の準備にとりかかった。作成した投稿論文は年度内に投稿完了し、本研究の成果報告に一定の進捗をみせることができた。 本研究における表現運動の授業の実践報告を日本体育学会及び英語圏の体育学会であるAIESEPにおいて報告する予定であったが、昨年度までの新型コロナウイルスの流行もあり、日本体育学会での発表に留まり、英語圏の学会大会での発表を行うことができなかった。この点については、時期をみて、実現を図りたい。
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