研究課題/領域番号 |
19K20097
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
森村 和浩 就実大学, 教育学部, 准教授 (30369037)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 短時間 / 有酸素能 / 成績 / 学校 |
研究実績の概要 |
本研究では「成長期における短時間で有酸素能と運動有能感を高めうる運動は,有酸素能力の向上に寄与し,認知機能の向上に寄与する」との仮説に基づき,子どもの健やかな成長を支える実践的な短時間・軽運動プログラムの検証を行っている. 1.10分の短時間のジョギングプログラムを生活化,習慣化している小学校へ在籍する児童6年の長期紐付け縦断データを集積,パネルデータとして有酸素能適応の解析を進める.2.昨年度,のべ740名の小学生を対象とした短時間軽運動介入の分析および成果報告を行った.得られた成果は学力層と3年間の有酸素能の縦断的推移から分類した場合に,学力低位層において有酸素能が高位である群算数および国語の2科目とも成績がポジティブに転じ,その偏差値の差分は,学力に何らかの影響が生じていると判断される4ポイント以上であった.一方,学力水準が標準の児童では,有酸素能低位群の国語おいて3年後の成績の悪化が示されたのみであり,有酸素能の推移が良好であれば学習成績に悪影響を及ぼさない可能性を示した。これらの結果は,ベースライン時の学業成績と有酸素能の縦断的推移,すなわち,良好な有酸素能の発達が学力にたいして関与している可能性を示唆し,中学生を対象とした先行研究を支持する結果であった.本研究は,身体活動介入による学力への有益な効果が有酸素能を一定水準以上を保つこと,また,一定水準以上まで向上させることによって得られる可能性を示すものであり, とりわけ,初期学力水準の低い層(学業不振者)において短時間の有酸素トレーニング介入が有益な効果をもたらす可能性を示唆した.3.子どもを対象とする短時間軽強度運動を用いた有酸素能向上条件の検証ついては,新型コロナ感染症のため延期せざるを得なかった.本課題については,現在研究推進中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響で一部,延期ならびに延長が必要な研究内容が一部残るが,概ね計画の内容を遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響で延期せざるを得なかった研究内容について延長申請を行った。現在は,コロナ禍の状況を鑑みながら研究推進を図っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染拡大のため,国際学会等の不参加が余儀なくされとりわけ旅費としての経費が使用できていない。今年度は,一部測定調査等のための費用として活用するとともに学会や調査のための旅費として活用を考えている。また,成果報告(校正,翻訳等)としての利用を計画している。
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