研究実績の概要 |
「近年,子どもの体力の低下が問題視されており,その向上は国の教育施策の柱の一つに位置づけられている.習慣的かつ積極的な運動・身体活動は,有酸素能の向上をもたらし肥満をはじめとする生活習慣病の予防だけでなく,たくましい心や認知機能の向上などへ好ましい効果をもたらす可能性が明らかにされつつあり,積極的な運動のススメが求められるようになってきた.本研究では「成長期における短時間で有酸素能と運動有能感を高めうる運動は,有酸素能力の向上に寄与し,認知機能の向上に寄与する」との仮説に基づき,子どもの健やかな成長を支える実践的な短時間・軽運動プログラムの検証と開発を目指す. 10分程度の短時間のジョギングプログラムを生活化,習慣化している小学校へ在籍する児童6年長期追跡縦断データを用いて,短時間運動の習慣化と有酸素能適応,および,個々の特徴を含めデータの集積,解析を行った.その結果,短時間のジョギングによるトレーナビリティは,体格及び20mシャトルランの全国平均値を基準とした有酸素能の変化に比して大である可能性と体格の適正化に資する可能性が示唆され,10分程度の短時間ジョギングを習慣化する学校基盤の運動プログラムは,子供の有酸素能の改善,発達に有益であると考えられた. また,当該年度より一部運動介入を再開実施し,子供を対象とした有酸素能力簡易評価法の開発と軽強度短時間ジョギングの効果について検証を行っている。
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