研究課題/領域番号 |
19K20101
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研究機関 | 就実短期大学 |
研究代表者 |
松本 希 就実短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (20609622)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 動脈硬化度 / 血圧 / 幼児 / 生活習慣 / 体力テスト / 動脈スティフネス |
研究実績の概要 |
本研究は,循環機能の指標となる血圧値と動脈硬化度を用いて,幼児の循環器指標の基礎データの構築を目指し,①発育発達が循環機能に及ぼす影響,②幼児の生活習慣と循環機能の関連性,③運動が幼児の循環機能に及ぼす影響,の3点を明らかにし,幼児期からの動脈硬化の予防・改善の方策を提案することを目的としている。 2019年度は、主に基礎データ構築のためのデータ収集を行うことを目的に、約120名の年中・年長の幼児を対象に、身体測定・体力テスト(25m走・立ち幅跳び・ボール投げ・両足連続飛び越し・体支持持続時間・捕球)・血圧測定・動脈硬化度の測定を行った。加えて、保護者を対象に自身の子どもに関する生活習慣のアンケート調査も実施した。 動脈硬化度の指標には、上腕足首間脈波伝播速度(baPWV:brachial-ankle Pulsu Wave Velocity)を用いた。幼児の平均収縮期血圧は93±9mmHg、平均拡張期血圧は50±7mmHg、baPWVの平均値は1029±184cm/sであった。幼児の体力テストは、文部科学省が報告している幼児の運動能力調査の得点表を用いて、各項目に点数をつけ総得点を算出した。幼児の総得点の平均値は、17.1±2.3点(30点満点18点が平均値)であった。それらの結果をもとに、幼児の運動能力と血圧及び動脈硬化度の関連性について調べたところ、血圧及びbaPWVともに関連性は低いことが示唆された。幼児においては、十分な動脈の弾力性により関連性を示さなかったものと推測する。 発育発達差の大きい幼児を対象とした調査であるため、研究期間内に対象者を増やし、継続して調査していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
測定に協力して頂いている園との調整により、動脈硬化度の測定及び保護者へのアンケート調査時期が、2020年2月となったため、保護者に実施した子どもの生活習慣に関するアンケート調査の結果の集計及び解析に遅れをとったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も対象者を増やし、現代の幼児の血圧及び動脈硬化度の基礎データの構築を目指し、調査を進めていく予定である。また、昨年度測定をした幼児についても引き続き同じ項目の測定を行い、発育発達も考慮した縦断的変化を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査協力いただいている園との調整の関係で、一部の測定が2020年2月の実施となり、また同じ時期から新型コロナウィルス感染症が流行したことにより、解析のための打ち合わせ等で予定していた出張などが中止となり余剰金が発生した。2020年度中に振り替えて実施予定ではあるが、リモートでも行える環境を整える予定である。
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