研究課題/領域番号 |
19K20104
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研究機関 | 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所 |
研究代表者 |
神藤 隆志 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員(移行) (20796833)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 座位行動 / 上下昇降デスク / activity-based working / 職場環境 / オフィスワーカー / AI(人工知能) |
研究実績の概要 |
勤労者における座りすぎは、身体的・精神的な健康状態および労働生産性と関係することから、その解決が課題となっている。このような座りすぎへの対策として、立って作業できる上下昇降デスクの設置やオフィスレイアウトの工夫など環境的介入が有効とされている。しかし、これまでの研究では、環境的介入による座位時間の減少がオフィス内のどのような場面でどのような行動の増加によって生じているかといった詳細について、技術的な課題があり明らかになっていない。また、環境的介入によるオフィス内の行動の変化は、結果としてコミュニケーションの増加をもたらす可能性があるが十分に検討されていない。そこで本研究では、近年注目されているAI(人工知能)による物体検出技術を応用し、人の行動を定量化・可視化し、オフィス環境への介入効果を詳細に検証することとした。 2019年度は、オフィス環境改変(リノベーション)前後のデータ整理を完了し、座位行動、身体活動と活用スペースの変化を検討した。リノベーションの結果、活動量計で評価した座位時間が1日約40分減少し、低強度身体活動が約24分増加していた。さらに、オフィス環境改変前後の定点カメラによる動画をAIで分析したところ、新たに設置された回遊型通路や入口や窓際にある共用席の活用度が高いことが確認された。これらの知見は、座りすぎ解消や身体活動促進に向けたオフィス環境づくりに役立つことが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画にあるオフィス環境改変の自然の実験のデータ整理まで完了しており、2020年度も計画に沿って分析、検討を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、オフィス内の行動や活用スペースに加え、会話の頻度や時間等を発生場所ごとにデータ化し、会話(コミュニケーション)の変化を検討する予定である。これらの検討をもとに、勤労者の身体活動やコミュニケーションを高めるためのオフィス環境の提案を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
動画データ解析の実施計画作成が後ろ倒しになり、当該年度の実施が間に合わず、次年度に実施することとなったため。
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