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2019 年度 実施状況報告書

不死化筋上皮細胞による汗腺老化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K20113
研究機関大阪大学

研究代表者

早川 智久  大阪大学, 薬学研究科, 特任研究員(常勤) (60773132)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード汗腺 / 不死化細胞 / 分化 / 老化 / 組織モデル
研究実績の概要

本研究は汗腺の幹細胞である筋上皮細胞を不死化させ安定的に維持できるようにすること、また汗腺の老化の原因である幹細胞の機能低下のメカニズムを解明するための汗腺の評価系を樹立することを目的としている。それにより汗腺の機能低下を抑制できる成分を同定し汗腺の機能低下を防ぎ、熱中症および貧汗症の抑止を目指す。
通常の汗腺筋上皮細胞は浮遊培養下において数継代の後、スフェロイドの形成と増殖を停止させる。このとき汗腺細胞では細胞老化が起こっている。一般的に継代寿命を延ばす手段としては不死化遺伝子の導入による細胞の不死化がある。
2019年度において筋上皮細胞を長期間培養できる、不死化筋上皮細胞の樹立に成功した。樹立した細胞は10継代を超えてなお増殖とスフェロイドの形成を維持できた。また老化細胞マーカーのチェックから不死化によって細胞老化の進行が抑制されていることが明らかになった。当該細胞は筋上皮細胞の特異的マーカーであるアルファ平滑筋アクチンを発現しており、生体内の性質を保持したまま、長期間の培養が可能である。1つのヒト皮膚検体から得られる通常の汗腺筋上皮細胞では薬剤スクリーニングを行おうとしても10試験程度を行うのが限界である。しかし今回樹立した不死化筋上皮細胞では薬剤スクリーニングを1000試験以上容易に行うことができる。
また作成した不死化筋上皮細胞は凍結保存が可能であり、長期間の培養だけでなく任意の状況での培養停止と再開が可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

汗腺を構成する細胞の1つである筋上皮細胞について長期間の培養、増殖が可能な不死化筋上皮細胞の樹立に成功した。in vivoでの筋上皮細胞マーカーに関して、陽性を示していることから生体内に近い性質での筋上皮細胞の維持に成功したといえる。
また筋上皮細胞の性質を高度に維持できる培養条件の検討も行った。そのうえで不死化筋上皮細胞の性質を安定して維持できる培養条件を明らかにした。

今後の研究の推進方策

汗腺を構成する筋上皮細胞は汗腺の発汗運動を起こす細胞であるとともに汗腺の幹細胞でもある。現在、不死化した筋上皮細胞から分化細胞を作成する方法の検討を行っている。また不死化筋上皮細胞から汗腺の疑似構造モデルを作成できないか検討を行っている。

次年度使用額が生じた理由

筋上皮細胞の分化を制御する因子を同定するための大規模スクリーニングを行うための解析試薬および分化関連化合物のライブラリーを購入する予定である。そのため次年度に多くの費用が必要になったため一部使用額を次年度に回した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Generation of immortalized sweat gland myoepithelial cells and eccrine sweat gland research model2019

    • 著者名/発表者名
      Tomohisa Hayakawa
    • 学会等名
      49th Annual ESDR Meeting

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公開日: 2024-12-25  

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