研究課題
若手研究
本研究は汗腺老化メカニズム解明のために不死化汗腺筋上皮細胞を樹立することを目的している。本研究において、汗腺筋上皮細胞の不死化細胞株の樹立に成功した。当該細胞は通常の汗腺細胞を超える期間の培養が可能であり、試験マテリアルとしての有用性が示された。また、樹立した細胞はプライマリーの筋上皮細胞と同様に分化能を持っていることが示された。この細胞に関わる成果は、論文で発表され、また関連する特許も取得されている。また、細胞販売の企業との協力により、全世界向けての販売に成功している。
老化基礎科学
ヒトのように汗腺を体温調節に利用している生物は馬に見られる程度で哺乳類全体として珍しい機構と言える。そのため、ヒト汗腺の研究のための手法は限られていた。今回、我々の研究で樹立した不死化筋上皮細胞は3次元スフェロイド培養に対応できるため、より実際のヒト汗腺に近い試験モデルとなり得る。不死化筋上皮細胞は、今後の汗腺研究における汗腺機能の理解、また制汗製品の開発に寄与するものと言える。