本研究は幼若期のニコチン暴露が成獣期の食行動や報酬系に及ぼす影響を検討した。4週齢C57BL/6J雄性マウスに浸透圧ポンプを装着しニコチンを2週間投与した。9週齢までは通常餌、10週齢から高脂肪餌を与え体重、摂餌量を評価した。成獣期ニコチン暴露モデルには8週齢マウスにニコチンを2週間投与した。幼若期ニコチン暴露群では対照の生食群と比べて成獣期の高脂肪餌下の体重、摂餌量、血糖値が増加し線条体のD2RのmRNAや蛋白発現が低下していた。一方、成獣期ニコチン暴露モデルではこれらの変化は観察されなかった。幼若期のニコチン暴露は報酬系機能分子の発現量を変化させ成獣期の高脂肪餌性肥満を増悪させた。
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