栄養生化学,生理学,ビタミン学の観点からナイアシン栄養状態が代謝調節機能におよぼす影響について網羅的に解析することを目指す.本研究により,トリプトファン‐ニコチンアミド転換経路の律速酵素を欠失したキヌレニン-3-モノオキシゲナーゼ欠失(KMO-KO)マウスを用いたナイアシン栄養状態を自在にコントロール可能なモデル動物が確立された.このモデル動物を用いた解析から,エタノール摂取はNAD消費の亢進によってナイアシン栄養状態の低下を引き起こすことが示唆された.また,ヒト尿検体の解析により,アルコール依存症患者におけるナイアシン栄養状態の実態についても明らかとした.
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