研究課題
本研究では、原発性胆汁性胆管炎(PBC)および原発性硬化性胆管炎(PSC)モデルマウスに対するハスカップ果実抽出物の改善効果を調べる。まずPBCモデルマウスに対するハスカップ果実抽出物の効果を調べる研究では、当初は同モデルマウスとして遺伝子変異マウス(dnTGFβRIIマウス)を使用する予定であった。しかし、供給元であるJackson Laboratoryにて同マウスは凍結卵による保存に移行してしまったため、2-octynoid acid (2-OA)-bovine serum albumin (BSA)モデルを使用することとした。浜松医科大学肝臓内科が同モデルを使用した実験の経験を有しているため、動物実験を同教室に依頼し、現在進めている。2022年5月にマウスの屠殺を行う予定である。具体的な実験内容としては、上記PBCモデルマウスを①コントロール群、②ウルソデオキシコール酸群、③低用量ハスカップ群、④中用量ハスカップ群、⑤高用量ハスカップ群に分け、8週齢時に屠殺して、組織病理学的、分子的、血清生化学的解析を行う。PSCモデルマウスに対するハスカップ果実抽出物の効果を調べる研究では、Abcb4-/-マウスをモデルマウスとして使用する。雌雄のAbcb4+/-マウスを2021年9月に搬入し、交配を行ってAbcb4-/-マウスを得た。さらに雌雄のAbcb4-/-を交配し、繁殖させている。現在、実験に使用するマウスを得るための交配を行っているところである。群分けはPBCモデルマウスの実験と同様に行い、組織病理学的、分子的、血清生化学的解析を行う。
3: やや遅れている
DNA組換え実験計画書および動物実験計画書の承認に1年以上の期間を要したことが研究の遅れの主な要因である。また、新型コロナウイルス感染症の影響により実験の遂行が困難な時期があった。
PBCモデルマウスを用いた研究では、2022年5月にマウスの屠殺を行う予定である。マウス屠殺時に肝組織や血清を採取し、組織病理学的、分子的、血清生化学的評価を行う。PSCモデルマウスを用いた研究では、2022年5月に実験に用いるマウスが誕生する予定である。同年8月あるいは9月にマウスを屠殺し、組織病理学的、分子的、血清生化学的検討を行う。
DNA組換え実験計画書および動物実験計画書の承認に1年以上要し、また新型コロナウイルス感染症によって実験を遂行できない期間が生じたために実験が遅れ、次年度使用額が生じ、科研費の期間を1年延長した。現在、動物実験が進行中であり、その遂行のために請求した助成金を使用する。
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