研究課題
前年度までに、原発性胆汁性胆管炎(PBC)モデルマウスに対するハスカップ果実抽出物の効果を調べ、中用量や高用量ハスカップ果実抽出物の投与により、PBCの血清生化学所見や病理学的所見が改善される傾向を確認した。最終年度では、原発性硬化性胆管炎(PSC)モデルマウスに対するハスカップ果実抽出物の効果を調べる研究を行った。まず、今回使用するPSCモデルマウスであるAbcb4-/-マウスに生じる肝病変の経時的変化を調べた。雄のAbcb4-/-マウスを普通食と水道水を自由摂取させて飼育し、2か月齢、3か月齢、4か月齢時にそれぞれ3~4匹ずつ屠殺し、血清生化学所見を調べた。結果として、血清AST、ALT、ALP値はすべての屠殺時期で高度に上昇しており、AST値は2か月齢時よりも3か月齢時が、3か月齢時よりも4か月齢時が有意に高値であった。ALTおよびALP値は、4か月齢時が2か月や3か月齢時よりも有意に高値であった。総ビリルビン値の上昇はいずれの屠殺時期においても目立たなかったが、4か月齢時は2か月や3か月齢時よりも有意に高値であった。次に、マウスを以下の群に分けて実験を行った(各群6匹):コントロール群、低用量群、高用量群。コントロール群には普通食を、低、高用量群にはそれぞれ0.15%、1.5%ハスカップ果実抽出物添加食を自由摂取させた。3か月齢時に屠殺し、血清生化学所見を調べた。結果として、AST値は、コントロール群に比して低用量や高用量群は低い傾向が見られた。ALT値は、コントロール群に比して低用量や高用量群は低値であり、コントロール群と低用量群の間には有意差が見られた。ALP値も、コントロール群に比して低用量や高用量群は低値であり、コントロール群と高用量群の間には有意差が見られた。今後は、組織病理学的解析や分子的解析を行う予定である。
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