肝臓の糖新生は、血糖の維持に重要な役割を果たす。睡眠に関与するホルモンで知られるメラトニンが、この糖新生に与える影響についてはこれまで明らかにされていなかった。本研究では、肝臓の培養細胞を用いた実験により、メラトニンが転写レベルで糖新生系酵素遺伝子の発現を誘導することを初めて明らかにし、メラトニンが血糖上昇に関与する可能性を示した。したがって、さらにこの研究が進めば、その知見が過剰摂取による血糖上昇リスクの根拠となり、適正な摂取基準の設定につながることが期待できる。さらに、メラトニンやその経路分子を標的として血糖を調節するという糖尿病治療への応用も期待できる。
|