新型コロナウィルスの感染拡大の影響を非常に強く受け、研究活動に大きな制限がある中で最終年度を迎えた。最終年度は、4-12月にかけては新型コロナウィルスの感染拡大に伴う、施設の使用制限及び、新型コロナウィルスワクチン接種のために行政との連携を進めることが不可能であった。 しかし、12月ごろから、行政とオンラインミーティングができるまでに状況が改善し、3月には初めての対象者に対する体力測定会を開催することができた。しかしながら、新型コロナウィルスの感染に係る活動制限は大きく、対象者数や体力測定の項目や時間も限定せざるを得なかった。3月は、行政との対面協議の場も設けることができ、今までに実施できなかった多くの活動を再開する方向で、前向きな議論を行うことができた。 最終年は、研究論文として報告できる成果は存在しないが、本研究の執行年度が終了した後も、行政と長らく連携した活動を展開できるような関係性を構築できたことや、新型コロナウィルスの感染拡大以前の状況に戻すことを目指した協議ができたことが、大きな成果と言える。
本研究期間全体を通しての目的は、認知機能低下や認知症のリスクとなる因子を明らかにすることであった。新型コロナウィルスの影響で、当初の研究計画を変更せざるを得ず、縦断的な検討は困難になってしまったが、横断的な検討から、研究論文を5本報告することができた。報告した内容は、すべて地域高齢者の認知機能低下に係ると考えられる因子を示したものであり、国内最大規模の学会における論文賞の受賞や、国際誌への掲載など、研究成果は一定の客観的評価を得た。新型コロナウィルスによって本来の研究計画遂行が非常に難しくなってしまったが、十分な研究成果を上げることができたと考える。
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