研究課題
若手研究
本研究では,認知症の予備軍とされる軽度認知障害(mild cognitive impairment, MCI)を有する高齢者を対象に,認知機能および循環機能を改善する方策として,カカオポリフェノールを高濃度含有するチョコレートの継続的な摂取の有効性について検証した。ランダム化比較試験の結果,認知機能テストおよび動脈硬化度の変化は負の相関を示す傾向が認められた。本研究の結果から,認知機能および血管内皮機能は相関をもって改善する可能性が示された。
運動生理学,栄養生理学
本研究より,高カカオチョコレートの継続的な摂取が軽度認知障害(MCI)を改善する方策となり得ることが示唆された。運動実施や食生活改善が困難な認知症患者に対し,継続的なチョコレート摂取を日常生活に取り入れるという比較的簡便な方法を,治療の選択肢の1つとして提案できる可能性が示された。今後,認知症患者数がさらに増加していくことを考慮すると,認知機能の改善に有効な食品の選択肢を提示できたことは社会的な意義が大きいと考える。