研究課題/領域番号 |
19K20146
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
丸谷 幸子 奈良女子大学, 生活環境学部, 特任助教 (40804589)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 減塩 / BGM / ポピュレーションアプローチ |
研究実績の概要 |
減塩の、「新たなポピュレーションアプローチ手法の提示」を目指し、適塩ソングのBGM放送による減塩・食行動変容への効果を非無作為化比較試験により検討している。 【2020年4月までの実績】すべての対象についての調査が完了し、現在尿中物質の測定、と資料データ化を進めている。完了後速やかにBGMの効果を検討するための解析に移行する予定である。一部新型コロナウィルス感染症流行の影響により調査方法を変更した。 【対象者】社員食堂をもつ4企業より研究協力の承諾を得、当該企業の従業員に研究への参加を呼びかけた。参加に文書にて同意した対象者を、企業単位で対照群・介入群に割付け、試験を実施した。【介入項目】対照群には視覚資料、介入群には視覚資料+BGM放送による介入を行った。【評価項目】主要指標:随時尿中ナトリウム排泄量より得られる食塩摂取量の介入前後での変化量、副次指標:食塩摂取行動の評価について妥当性が検討された簡易質問紙により算出される食塩摂取行動スコアの変化量とした。食塩摂取量の季節変動の影響を最小限にするため、また、減塩に興味が薄い者も組み入れやすくするため、毎年同時期に定例実施される各企業の健康診断に合わせて調査を行い、随時尿は健診尿検査検体を、解析に必要な身体・生活習慣の情報は、本人の同意を得て健康診結果の提供を受けた。【スケジュール】初年度の健康診断にて介入前の調査(事前調査)を実施し、直後より5週間の初回介入を行った。介入後の事後調査は次年度(1年後)の健康診断時に実施した。初回介入と事後調査の間には、介入群において月に1度BGMの放送(対照群は従来の食育)と、事後調査直前に再度5週間の介入を実施した。また、BGMの減塩への短期間での影響評価のため、中間調査として初回介入直後に簡易質問紙による調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年4月にすべての対象についての調査が完了し、随時尿、簡易質問紙。身体・生活習慣についての情報を収集した。、新型コロナウィルス感染症流行の影響により、一部対象者について健康診断での事後調査を断念し、別途調査を実施したが、それによる研究全体の遅れは発生していない。 現在尿中物質の測定(外部委託)、データの整理が進行中である。研究参加者(対象者)には順次個別に食塩摂取量と食塩摂取行動スコアの結果を返却している。
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今後の研究の推進方策 |
現在収集した試料及び資料の測定、整理、データ化を行っている。 今後すべてのデータ化が完了次第、BGMの食塩摂取量と摂取行動への影響を検討するための解析を行っていく予定である。 解析結果を検討し、学会発表、学会誌への報告を通じて、成果を公表したい。 同時に、研究参加者への結果説明を主に結果票を個別に返却する方法をもって行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症流行により、2020年度初頭の調査方法を変更、再調整する必要が生じた。そのため、2019年度末頃に購入予定であった調査物品の購入、文書の印刷配布を2020年度初頭に延期した。(研究進行への影響はない。) そのため、次年度使用額については当該年度に使用する予定であった調査物品購入、文書配布に使用する。 翌年度分として請求した額についても、当初の予定通り、調査員にかかる経費、検体・データ管理、解析等に使用する予定である。
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