研究課題/領域番号 |
19K20148
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
齋藤 瑛介 広島国際大学, 健康科学部, 講師 (60760080)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 糞便中胆汁酸濃度 / 腸内細菌叢 / 排便頻度 / 不溶性食物繊維 / 動物性脂質 / 二次胆汁酸 / 一次胆汁酸 |
研究実績の概要 |
コール酸とケノデオキシコール酸は、腸内細菌によってデオキシコール酸やリトコール酸などの二次胆汁酸へ代謝される。近年、この代謝は、大腸癌、肝臓癌、胆石症、機能性・炎症性腸疾患、脂質異常症や糖尿病などの病因や治療に関与することが示されている。この代謝を制御することができれば、様々な健康利益を期待することができる。本研究目的は、糞便中胆汁酸組成に影響を及ぼす食事、排便状況、腸内細菌叢の影響を明らかにすることである。70人分の排便状況、食事状況、糞便中胆汁酸濃度および腸内細菌叢の横断的データを用いて、糞便中胆汁酸組成と食事、排便状況、腸内細菌叢との関係性を評価した。対象者は、デオキシコール酸とリトコール酸を優勢的に含む3つの群(濃度に従ってlow-、medium-、high-SecBA群)と、コール酸とケノデオキシコール酸を高い濃度で含む群(high-PriBA群)の4つに分類された。普通便の排便頻度は有意に異なり、high-PriBA群で高く、high-SecBA群で低かった。high-PriBA群の腸内細菌叢は、他の群とは有意に異なり、Clostridium subcluster XIVaの割合が高く、Clostridium cluster IVとBacteroidesが低かった。動物性脂質の摂取量は、low-SecBA群がmedium-、high-SecBA群に比して有意に低かった。不溶性食物繊維は,high-PriBA群がhigh-SecBA群に比して有意に低かった。結論として、高い糞便 中コール酸およびケノデオキシコール酸レベルは、異なる腸内微生物叢と関連していた。逆に、高レベルの細胞傷害性デオキシコール酸およびリトコール酸は、動物性脂肪摂取量の増加、排便頻度の減少および不溶性繊維摂取量の減少と関連していた。 昨年度論文を書き終え、今年度初旬に投稿した。査読に時間がかかり、年度末に再提出の連絡があり、現在対応中である。 研究成果について、腸内細菌学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度末に論文を書き終え、今年度初旬に論文を投稿した。論文の査読に時間がかかり、年度内に研究を終えることができず、継続申請した。
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今後の研究の推進方策 |
論文が受理されなかった場合は、別の雑誌に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文の査読プロセスに時間がかかっており、年度内に受理されなかったため。次年度論文が受理された際、論文掲載費用として使用する。
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