研究課題/領域番号 |
19K20149
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
川又 寛徳 福島県立医科大学, 保健科学部, 講師 (00511106)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヘルスリテラシー / 作業療法 / ヘルスプロモーション |
研究実績の概要 |
我々は作業療法の視点からヘルスリテラシーに着目し、自分にとって重要な価値を持つ作業への参加を促すヘルスプロモーションプログラムを開発し、プログラムが地域在住の高齢者のQOLに与える効果をランダム化比較試験により明らかにした。高齢者が自身にとって重要な作業に関する情報をいかに入手し、理解し、評価し、活用するかという作業に関するヘルスリテラシー(作業リテラシー)を測定する尺度はなく、プログラムの効果測定の課題であった。そこで本研究は、高齢者の作業リテラシーを構成する概念を明らかにし、最終的にはその概念に基づく作業リテラシー尺度を開発することが目的である。 はじめに、高齢者の作業リテラシーを構成する概念のうち、クライエント自身が作業についての情報を評価する視点を、作業の視点で書かれた事例報告を用いて検討し、最終的に「作業に対して抱く気持ち」「作業と日常の関係」「作業をする環境」の3つのカテゴリーに整理した。 令和4年度は、作成した3つのカテゴリーを専門的な視点から洗練するために、高齢者のヘルスプロモーション領域の作業療法士を対象としたフォーカスグループ・インタビューを開催した。対象者は、作業療法の概念的実践モデルである人間作業モデルに精通した作業療法士である日本作業行動学会が認定する人間作業モデル認定セラピストのうち、老年期領域を専門とする作業療法士かつ研究への参加に同意が得られた15名であった。方法は、15人を3グループに分け、ビデオ会議システムを用いてオンラインフォーカスグループ・インタビューを行った。インタビューの音声データから逐語録を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ビデオ会議システムを用いてオンラインフォーカスグループ・インタビューを3回行い、インタビューの音声データから逐語録を作成したが、分析作業が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインフォーカスグループ・インタビューの逐語録データを質的に分析し、分析結果から作業リテラシーに関する質問項目と、その質問項目で構成される「暫定版作業リテラシー尺度」を作成する。作成した「暫定版作業リテラシー尺度」について、デルファイ法を用いて「作業リテラシー尺度」を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が遅れているため、次年度以降に遅れた研究計画を遂行予定である。
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