研究実績の概要 |
前年度は、福島県内の避難区域13市町村の1自治体(楢葉町)の令和1年度特定健診受診者受診者を対象(1,336人)とし、バイオマーカー検査(血清鉄、血清マグネシウム)による住民の栄養状況を評価し、バイオマーカーデータおよび特定健診データを集まって、血清鉄、血清マグネシウムと生活習慣病の関連を検討した。対象者において、平均血清マグネシウム値は2.134mEq/L、平均血清鉄値は108.076mEq/Lで、昨年度よりやや高くなってきたことが分かった。解析方法:血清鉄、血清マグネシウムを四分位で分析を行い;各グループの多変量調整したオッズ比をロジステックモデルにより算出した;共変 量:性別、年齢(<=49, 50-64,>=65 ,BMI(<25, >=25)、喫煙(習慣的喫煙あり、習慣的喫煙なし)、飲酒(毎日、ときどき、ほとんど飲まない、まったく飲ま ない)、運動(30分以上の運動習慣あり、 30分以上の運動習慣なし)となった。分析結果:血清鉄、血清マグネシウムの低値群にくらべ、高値群の糖尿病の有病リスクを有意に下がる。楢葉町住民において、血清マグネシウム高値は糖尿病の予防因子、血清鉄高値は高血圧と腎臓疾患の予防因子だと考えられる。 なお、令和2年度の楢葉町40~89歳男女を対象として特定健診を行なうとともに、平成28-30年度の楢葉町40~89歳男女を対象として特定健診データおよび栄養に関するバイオマーカー検査データを統合し、バイオマーカーと生活習慣病との関連を縦断的な分析を行なう予定です。
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