研究実績の概要 |
前年度は、福島県内の避難区域13市町村の1自治体(楢葉町)の令和4年度特定健診受診者受診者を対象(1,476人)とし、バイオマーカー検査(血清 鉄、血清マグネシウム)による住民の栄養状況を評価し、バイオマーカーデータおよび特定健診データを集まって、血清鉄、血清マグネシウムと生活習慣病の関 連を検討した。解析方法:血清鉄、血清マグネシウムを四分位で分析を行い;各グループの多変量調整したオッズ比をロジステックモデルにより算出した;共変量:性別、年齢(<=49, 50-64,>=65) ,BMI、喫煙(あり、なし)、飲酒(飲酒あり、飲酒なし)、運動(運動習慣あり、運動習慣なし)となった。分析結果:住民 1,476 人の内、2022年度の特定健診で血圧異常の人 709 人、腎臓異常の人124人、糖尿病または糖尿病の疑いのある人 271人、肝臓異常の人 119 人を判明した。 血清マグネシウムの低値群(中央値 2.0mEq/L)にくらべ、高値群(中央値 2.4mEq/L)における糖尿病糖尿病または糖尿病の疑いのリスク0.58 (95%CI: 0.35-0.97), P<0.05 となって、有意な負の関連が見られた。 血清鉄の低値群(中央値 73mEq/L)に対して、高値群(中央値 144mEq/L)の高血圧多変量調整後のリスクは 0.63 (95%CI: 0.42-0.95), P<0.05, 低下する傾向性が見られた;高値群の腎臓疾患の有病リスクは 0.38 (95%CI, 0.19-0.74), <0.01,糖尿病または糖尿病の疑いのリスクは 0.56 (95%CI: 0.35-0.90), P<0.05 となって、有意な負の関連が見られた。 楢葉町住民において、血清マグネシウム高値と血清鉄高値は糖尿病の予防因子だと考えられる。
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