腸のNaCl吸収は、Na輸送体とCl輸送体がカップルして働くと考えられている。Na輸送体は小腸、大腸いずれも同一のNa輸送体であるが、Cl輸送体は小腸と大腸で異なる。マウスの摘出した組織を用い、腸管各部位における、NaCl吸収機序を検討した。小腸、盲腸及び中位大腸では、Na輸送体とCl輸送体がカップルして働いていることが示唆された。また腸の各部位からオルガノイドを作成することを試みた。オルガノイドは腸管各部位の特有の遺伝子が発現している腸上皮細胞に分化していること示唆された。確立した手法を用い、腸管NaCl吸収機構の欠損したマウスの機序解明を試みたが、更なる検討の必要があった。
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