学術的な進展として、本研究で用いた運動非依存的な捕食者ストレス誘導型骨格筋肥大は、運動による肥大システムとは異なるシステムを用いて肥大していることが明らかとなった。具体的に、運動による筋肥大では主に速筋線維が肥大することがわかっているが、今回の肥大モデルでは肥大に伴い遅筋線維が増加している様子をタンパク質及び脂質代謝物から明らかにすることができた。遅筋は筋萎縮が起こりにくく、サルコペニア予防のためには遅筋を増やすことが効果的であるといわれている。今後、如何にして筋肥大と同時に遅筋へのシフトが起こるのか、その作用因子を同定することができれば、我々の生活への応用も期待される結果が得られると考える。
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