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2019 年度 実施状況報告書

脂肪組織の加齢に伴う慢性炎症におけるFABP5の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K20172
研究機関国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

川口 耕一郎  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老化機構研究部, 研究員 (10794274)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード慢性炎症 / 加齢 / 脂質代謝 / 脂肪酸 / 脂肪酸結合タンパク質
研究実績の概要

1. 脂肪組織におけるFABP5の発現制御機構の解析:一部の癌細胞ではFABP5の発現がプロモーター領域のDNAメチル化により制御されていることを見出している。従って、脂肪細胞におけるFABP5の発現制御機構を明らかにするため、脂肪細胞のモデルとして3T3-L1細胞を用いて、バイサルファイトシークエンス法によるプロモーター領域のDNAメチル化解析を行った。その結果、脂肪細胞への分化誘導時の経時的変化において、3T3-L1細胞ではFABP5プロモーター領域は低メチル化状態であることがわかった。
2. FABP5と相互作用するタンパク質の同定:3T3-L1細胞においてFABP5と相互作用する分子を同定するため、免疫沈降を行なった。免疫沈降法の条件検討に予定よりも時間を要してしまったため、現在のところ相互作用するタンパク質の同定にまでは至っていないが、いくつかの候補因子を見出している。今後、MS解析等により相互作用タンパクの同定を進めていく予定である。
3. FABP5の炎症性変化への影響の解析(細胞レベル):炎症を起こした脂肪組織にはマクロファージの浸潤が増加し、脂肪酸やTNF-αなどの液性因子を介して脂肪細胞と相互作用し、炎症性変化を増強することが知られている。そこで、マクロファージのモデルとしてRAW264.7細胞を用いて3T3-L1細胞との共培養系の培養条件の検討を行い、確立した。さらに、FABP5発現量をRNAi法により抑制した場合や、FABP5阻害剤を培地に添加した場合の炎症性シグナルの変化を定量PCR法で検証した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究所内の事務手続き上の問題により、マウス個体を用いた解析が遅れている。同様の理由により、今年度から予定していた組織特異的FABP5ノックアウトマウスの導入にも遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

組織特異的FABP5ノックアウトマウスの作出にはまだ時間を要するため、並行して全身性FABP5ノックアウトマウスを用いた解析を行う。また、細胞レベルの解析では、初代培養脂肪細胞を用いてFABP5のDNAメチル化解析および発現制御に関わる転写因子の同定を予定している。

次年度使用額が生じた理由

今年度に実施予定であった遺伝子改変マウスの作出に取りかかることができなかった。そのために予定していた費用を次年度に使用することとした。その他の実験計画に関しては変更はないため、あらかじめ予定していた次年度分の助成金の使用計画に変更はない。

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公開日: 2021-01-27  

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