研究課題/領域番号 |
19K20181
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
武田 尚子 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (20737655)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | サルコペニア / 慢性腎臓病 / 食事療法 / 運動療法 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
サルコペニアを合併した高齢CKD患者に対して、運動療法を併用した状態で、たんぱく質摂取量の違いが、筋肉量を含めた体組成と腎機能・蛋白尿にどのような影響を及ぼすかを探索する目的で研究を進めている。本検討では食事介入、運動介入を行う予定であり、それぞれのプロトコルが目標を達成するために実現可能かを検討した。食事介入として、1日3食、週5日間の主食として、体格を考慮せず200gの米飯を低たんぱく米に置換する予定であった。事前検討として1日3食、週5日間、200gの米飯摂取を施行してみたところ、主食量がもともとの摂取量より多くなり、その影響から副食量が減少し、コントロール群でも24時間蓄尿で算定した蛋白摂取量が大きく変化することが明らかとなった。そのため、目標エネルギー摂取量の50%を米飯で摂取できるように体格に合わせ米飯量を調整すること、1日3食、週5日間の米飯摂取後の蓄尿検査でのたんぱく質摂取量を割付因子とすることとし、プロトコルを調整した。また、運動介入として使用するレジスタント運動を検討した。当初のメニューでは対象の高齢患者では実施困難な負荷の運動内容があり、継続困難であった。そのため、座位での運動を中心とし、セラバンドを用いることで負荷量を増やし、筋肉量が少なくても実施可能なメニューとなるよう検討し、調整した。また米飯調達について業者を選定し、使用する低たんぱく米の手配が可能なように調整を行った。以上の変更点を踏まえたプロトコルで臨床研究法に則った研究計画が認証されるよう調整中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
目標を達成するために食事介入、運動介入の内容を調整する必要があり、プロトコルの確定に時間を要したため、現在も臨床研究法に則った倫理委員会の認証が得られていない。また、新型コロナウイルス感染予防のため受診や多職種の接触を伴う指導を最小限にする必要があり、直接来院、接触しない栄養指導・運動指導の介入について検討する予定である。そのシステム構築のためさらに調整に時間がかかる可能性がある。
|
今後の研究の推進方策 |
現在調整したプロトコルをもとに臨床研究法に則った倫理委員会の認証を得ていく。現在新型コロナウイルス感染予防のためにとくに原疾患を持つ高齢者においては自宅待機を余儀なくされており、CKD患者のサルコペニアはさらに増加すると思われ、大きな社会問題となってくると予想される。しかし感染予防のため多職種が介入する臨床研究の実施が困難となる可能性があり、感染予防に配慮した計画に調整する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本計画はまだ倫理委員会の承認を得られておらず、計画が実施されていないため、必要物品などの購入が計画開始が可能となる来年度以降に必要となるため。
|