研究課題
若手研究
これまでに肥満糖尿病患者の血清銅濃度が上昇していることが示されているが、銅への介入による肥満糖尿病の予防・治療への効果とそのメカニズムは未解明である。本研究では、高脂肪食誘発性肥満マウスの肥満および脂質代謝に対する銅キレート剤の効果を評価した。本知見は、銅のキレート剤が肝臓の脂質代謝の変化を介して、肥満糖尿病の発症の予防に寄与することを明らかにしたものであり、この研究結果は銅への介入が肥満糖尿病の予防・治療に有効である可能性を示唆するものである。
薬理学
本研究は肥満病態での銅の代謝の変化の可能性と、必須微量元素である銅と脂質代謝の関連を明らかにしたものであり、銅の生体内での意義のさらなる解明に寄与するものである。さらに実験動物モデルを用いて、銅への介入が肥満糖尿病の予防・治療に有効である可能性を示すことができたため、本知見を応用することで、将来の新規の肥満・糖尿病の治療薬の開発に繋がる可能性が考えられる。