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2019 年度 実施状況報告書

酵母由来グルコシルセラミドの腸内細菌叢の変化による皮膚機能改善効果

研究課題

研究課題/領域番号 19K20185
研究機関長野県立大学

研究代表者

福永 祥子  長野県立大学, 健康発達学部, 助手 (90738478)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードグルコシルセラミド / 腸内細菌叢
研究実績の概要

グルコシルセラミド(GlcCer)は、皮膚のバリア機能を改善する機能性成分として注目されている。GlcCerは摂取後、数%が吸収されずに排泄されるという報告があり、腸内での機能が期待されている。プロバイオティクスを摂取することで、腸内腐敗産物が減少し、皮膚への移行が減り皮膚機能が改善することが報告されている。一方、炎症性腸疾患において皮膚に障害を起こすことも報告されている。その因果関係は明らかにされておらず、腸内細菌叢、皮膚機能、疾病の関連については不明な点が少なくない。炎症性腸疾患では、Firmicutes/Bacteroidetes比が重要であるという報告があるが、腸内細菌叢の研究や解析技術の進歩により、より詳細な解析結果の様々な報告が発表されており、一概にFirmicutes/Bacteroitees 比だけでは議論できない。そこで本研究では、研究報告の少ない酵母由来GlcCerについて、プレバイオティクスとしての視点から、健常時および大腸炎時の腸内細菌叢の変化および皮膚のバリア機能などの皮膚機能に対する改善効果について検討し、腸内細菌叢と皮膚機能の関連についても検討する。
2019年度は、既存サンプルである通常食群とGlcCer群の大腸内容物の腸内細菌叢の解析を行った。当初の予定ではFirmicutes門とBacteroidetes門の2門についての解析を予定していたが、16SrDNA解析を行い、より詳細な解析を行った。その結果、通常食群とGlcCer群では異なる腸内細菌叢を示し、門レベルにおいて3種の門について有意な差があった。一方でFirmicutes門およびBacteroidetes門では有意な差は認められなかった。GlcCerには、腸内環境を変える作用があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2019年度に自身の博士の学位申請を行ったため、研究時間が減少した。さらに、測定機器(HPLC)の更新が決まり、機器の納入が年度末になったため、分析条件の設定や解析ができなかった。

今後の研究の推進方策

2020年度は、既存サンプルでフェノール類のHPLCでの分析条件を確立するとともに、動物実験を開始する。2019年度の結果から、健常状態においてGlcCerは腸内細菌叢を変化させる作用が示唆されたことから、健常時および大腸炎時のGlcCerの作用を検討する。健常および大腸炎群それぞれに通常飼料もしくはGlcCer含有飼料を摂食させたマウスの大腸炎の評価、皮膚機能(経皮水分蒸散量および弾力性)の測定、腸内細菌叢解析、フェノール類分析を行い、腸内細菌叢と皮膚機能の関連およびGlcCerの作用について明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

使い切れなかった端数である。少額であるため、2020年度分と合わせて物品費として使用する。

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公開日: 2021-01-27  

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