植物由来成分ジオスゲニンの生理活性脂質プロスタグランジン(PG)E2合成系酵素の抑制効果に焦点をあて、その作用機序の解明と、炎症性疾患への効果ならびに安全性の検証を行った。ジオスゲニンは、グルココルチコイド受容体を介してPGE2合成系酵素のシクロオキシゲナーゼ(COX)-2と膜結合型PGE合成酵素(mPGES)-1の発現を抑制することが示された。また、肝炎モデルマウスにおいて、マクロファージ特異的に両酵素の発現を抑制することで、肝臓の炎症を抑えることを見出した。一方で、ジオスゲニンは、血管内皮細胞のPGE2合成系には影響せず、心血管系への副作用を回避し、抗炎症効果を有することが期待される。
|