研究課題/領域番号 |
19K20198
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
尾形 宗士郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (00805012)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 慢性腎臓病 / 認知機能 / IADL / 媒介分析 / 構造方程式モデリング / 因果構造探索 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、慢性腎臓病患者の多岐に渡る診療情報を経時的に収集し、最新の統計手法や機械学習により、慢性腎臓病患者に特化した、認知機能低下予測モデル・認知機能低下因果構造仮説・認知機能低下予防モデルを開発することである。2020年度は、データ収集及び、収集したデータの探索的解析を実施した。 藤田医科大学腎臓内科にて、慢性腎臓病患者に研究協力を依頼し、同意が得られた患者の症例登録を実施した。カルテデータに加えて、質問紙票調査と認知機能検査を実施し、データセットの作成をすすめた。当初、入院している慢性腎臓病患者を対象と想定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行により、入院病棟の感染管理基準引き上げに伴い入院患者のリクルートが困難となった。そこで、藤田医科大学腎臓内科に通院する外来患者も研究対象に加え症例登録を実施した。外来患者であること、緊急事態宣言に伴う症例登録一時中止があったこと、感染防止対策に伴い研究説明に時間を要する手順になったこともあり症例登録は難航したが、2020年4月から2021年3月で105件の新規症例登録ができた。2019年度もふくめ234件の症例登録がおえた。また、フォローアップ調査も電話で実施しており、追跡データの収集も始めている。 収集したデータにて、探索的なデータ解析を実施し、認知機能と関連のある変数に検討をつけた(例:年齢、性別、教育歴、腎機能[eGFR]、うつ症状、IADL等々)。そこで、残存腎機能に基づく慢性腎臓病進行ステージと認知機能低下の関連に、IADLが媒介しているかどうかを、構造方程式モデリングや媒介分析モデルにて検討し、IADLが媒介していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の流行により、入院病棟の感染管理基準引き上げに伴い入院患者のリクルートが困難となった。そこで、藤田医科大学腎臓内科に通院する外来患者も研究対象に加え症例登録を実施した。 外来患者であること、緊急事態宣言に伴う症例登録一時中止があったこと、感染防止対策に伴い研究説明に時間を要する手順になったこともあり症例登録は難航したが、2020年4月から2021年3月で105件の新規症例登録ができた。昨年度もふくめ234件の症例登録がおえた。また、フォローアップ調査も電話で実施しており、追跡データの収集も始めている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、症例登録を引継ぎ実施していく。また、2019年度・2020年度の症例登録患者のフォローアップ調査も同時に実施していく。収集したデータを基に、慢性腎臓病患者を対象とした認知機能低下予測モデル構築のデータ解析を実施していく。また2020年度に検討した慢性腎臓病進行ステージと認知機能の因果構造探索の結果であるIADLの媒介について、上記のデータを追加して検討を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行のため、症例登録が予定より遅れている。症例登録に必要な人件費を2021年度に繰り越す必要が生じたため。また研究フィールド先である藤田医科大学への出張も、新型コロナウイルス感染症流行により出張回数が制限されたので、研究管理やデータ収集に必要な旅費を2021年度に繰り越す必要が生じた。
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