研究課題/領域番号 |
19K20208
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | パターン照合アルゴリズム / パラメタ化パターン照合 / 順序保存パターン照合 / 順列パターン照合 / 索引構造 |
研究実績の概要 |
本研究は,パラメタ化パターン照合問題,順序保存パターン照合問題,順列パターン照合問題等,拡張したパターン照合問題に対する最適な時間・領域のアルゴリズムを開発する.2019年度において,各拡張パターン照合問題に対する最適な時間・領域のアルゴリズムを開発するために,各パターン照合における照合関係上の文字列の離散的・組合せ的な性質の解析を中心に研究を進めた.特に文字列の周期性は,パターン照合アルゴリズムに使われる重要な文字列の性質である.文字列の周期として区間周期と境界周期があげられ,この2種類の周期が厳密一致関係上では等価なものであるが,拡張した照合関係上では異なるものである.さらに,パラメタ化パターン照合や順序保存パターン照合といった拡張照合関係上で,2つの文字列が一致するならば,それらの同じ長さの接頭辞も接尾辞も一致するという性質が知られている.以上の性質を深く解析し,その結果として各パターン照合問題において以下研究成果が得られた. (1)パラメタ化パターン照合問題に対して既存の索引構造より省メモリなデータ構造を開発した. (2)順序保存パターン照合問題に対して並列アルゴリズムを開発した. (3)順列パターン照合問題に対して理論的に高速なアルゴリズムお及び実用的に高速なアルゴリズムを開発した. (4)以上あげられたパターン照合問題を含んだ拡張パターン照合問題において,複数のパターンを同時に照合できる一般化したアルゴリズムを開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの研究は計画通りに進めており,アルゴリズムの開発ための重要な性質が明らかになった.また,得られた研究成果は理論計算機科学分野や文字列処理分野で重要な国際会議及び論文雑誌に採択された.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究計画通りに,2019年度の研究で解明した性質を生かして,パラメタ化パターン照合問題,順序保存パターン照合問題,順列パターン照合問題等,拡張したパターン照合問題に対する線形時間・劣線形領域のアルゴリズムの開発を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度において,国際会議に採択された論文を発表する予定であるが,新型コロナウイルス感染症の影響で,本国際会議の会場で参加できず,ネット会議に通じて発表を行った.2020年度において,研究費を国内研究会および国際会議の参加や学術論文誌の投稿,研究成果を発表するために使用する予定である.また,開発したアルゴリズムの検証や評価するための計算機を購入するために使用する予定である.
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