2021年度において,パラメタ化パターン照合問題に対して線形領域データ構造及び線形時間・定数領域のアルゴリズムの開発を行った.索引に用いられる Burrows-Wheeler 変換をもとにしたパラメタ化 Burrows-Wheeler 変換(PBWT 変換)のオンラインアルゴリズムを開発し,国際会議 SPIRE2022 で発表した.また,パターン照合に使われた索引構造の1つであるポジションヒープの構築に対する逆問題,与えられたポジションヒープからもととなる文字列を求める問題を解く線形時間アルゴリズムを提案した.最後に,パラメタ化パターン照合問題に対して,劣線形領域アルゴリズムを開発し,正当性および計算量の証明することができた.本研究の成果を2023年度中に発表する予定である. 全研究期間において厳密パターン照合問題およびその拡張であるパラメータ照合問題,順序保存パターン照合問題に対して様々な線形時間アルゴリズムおよび索引構造を提案してきた.具体的には厳密パターン照合問題に対する索引構造である線形領域接尾辞トライの線形時間オンライン構築アルゴリズムを提案した.また,パラメタ化パターン照合に対してパラメタ化線形領域接尾辞トライ,パラメタ化有向無閉路文字列グラフといった索引構造とその構築アルゴリズムを提案した.さらに,パラメタ化パターン照合に対して劣線形アルゴリズムを2つ開発し,一つ目は Galil アルゴリズムをもとにしたアルゴリズムで,2つ目は Crochemore-Perrin アルゴリズムをもとにしたアルゴリズムである.前者のアルゴリズムに関してはは正当性および計算量の証明することができた.
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