研究課題
状態空間モデルを用いて時系列データに潜む振動成分をデータ駆動的に抽出する振動子分解について、アルゴリズムの改良および実データへの適用に取り組んだ。脳神経科学で現れる時系列データには周期成分(periodic component)に加えて非周期成分(aperiodic component)が存在し、これらを適切に分離して解析するのが重要であることが近年の研究で明らかになってきている。そこで、振動子分解で用いる状態空間モデルの観測ノイズをホワイトノイズからピンクノイズ(1/fノイズ)に拡張し、数値実験によって有効性を確認した。また、脳内双極子から電極への順モデルを用いることで、複数電極の脳波データの振動子分解においてパラメータを削減して推定を安定化する手法を開発した。さらに、2014年の阿蘇山近辺の地震波データに約11秒周期の振動子が存在することを確認し、Sandanbata et al. (2015)による0.05-0.1Hzのバンドパスフィルタを用いた火山性長周期微動イベントの検出に対するデータ駆動的な裏付けを与えた。この他に、特異値縮小型のノンパラメトリック推定に関する論文と修正赤池情報量規準の非許容性に関する論文が採択された。
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