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最終年度は，2022年度の続きとして(I)単調欠測データを持つ平均ベクトルと分散共分散行列の同時検定と，(II)単調欠測データを持つ平均ベクトルの検定に対する新たな検定手法についての研究成果をいくつか得た．(I)については，1標本問題及び多標本問題における3-step単調欠測データの下での平均ベクトルと分散共分散行列の同時検定における尤度比検定統計量に関する議論を2022年度に学術雑誌に投稿していたが，その補強を行ったところ，学術雑誌に掲載されることとなった．(II)については2022年度にテクニカルレポートとしてまとめた研究成果を学術雑誌に投稿し，査読者からのコメントを基に研究成果の補強を行った．
また，(II)に関連して，簡便なT二乗型検定統計量を用いた平均ベクトルの検定について，検定統計量の帰無仮説の下での分布関数の漸近展開を，相関を考慮した上で1標本問題の2-step単調欠測データの場合に以前導出しているが，その結果を3-step単調欠測データの場合に拡張することに成功した．その研究成果を今後論文としてまとめる予定である．
研究期間全体を通じて，欠測値を含む成長曲線モデルにおける統計解析理論として，単調欠測データの下での成長曲線モデルにおける推定やモデル選択規準について，おおむね当初予定していたように研究成果を得ることができた．またそれに関連する単調欠測データの下での平均ベクトルや分散共分散行列に関する仮説検定問題についても，検定統計量及びその帰無分布を導出し，欠測データに対する新たな検定手法を開発することができた．
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