研究課題/領域番号 |
19K20238
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 岡山理科大学 (2021-2022) 川崎医療福祉大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
近藤 真史 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (90590133)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 直列演算器 / 非同期式回路 / 乗算器 / メタステーブル |
研究成果の概要 |
本研究は,デジタル補聴器等に代表される生体信号処理プロセッサ(DSP)の低消費電力化および小面積化を目的として,これに内蔵される演算器の新たな構成法を提案している. まず,単一の全加算器を用いて逐次的に演算を行う直列乗算器を対象に,クロックパルスを用いない非同期式回路に基づく制御手法を導入することにより,消費電力を約32%,回路面積を約90%削減することに成功している.次に,生体信号処理において下位ビットの演算結果が冗長な点に着目し,特に最大積から乗数を逐次減算することにより上位ビットから演算結果を確定可能な手法を提案・設計した結果,十分な精度を維持しつつも,消費電力を約75%削減している.
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自由記述の分野 |
計算機工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
提案の乗算器では,単に非同期的な制御手法を導入するだけでなく,更に一対の加算器を相補的に制御することで従来の非同期回路では不可避であった休止相を隠蔽する手法を提案しており,これは非同期回路の新たな設計手法を切り開くものである.これに続くトランケート乗算器の直列化については,これまでに類似の報告はなされておらず,さらにこれを減算で効率的に実現する手法は極めて高い独創性を備えている. これらの直列乗算器については種々の性能評価を通じてその有効性が確認されており,この種の生体用信号処理プロセッサを内蔵する医療機器への応用,さらにはそれらの機器を必要とする患者の"生活の質"の改善効果を期待できる.
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