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2021 年度 実施状況報告書

データに基づき自動修正も含む型エラーデバッギングの理論と実際

研究課題

研究課題/領域番号 19K20248
研究機関国立情報学研究所

研究代表者

対馬 かなえ  国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 特任助教 (80754663)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード型エラー / デバッグ / 関数型言語
研究実績の概要

本年度は型エラーのあるプログラムを実行する手法を導入した。型エラープログラムを実行することの一つ目の利点は、実行後、型エラーの原因とそれと衝突する部分の距離が近くなることにより、型エラーの原因が見つけやすくなることである。二つ目の利点は、静的型付き言語の型エラープログラムであっても可能な限り実行が可能になることである。
アイデアは、型エラーの原因である可能性が高い部分を「凍らせる」ことである。手法としては、三段階に分けて行う。一段階目では、コンパイラの型推論器の型エラー情報を使用して、「凍った」部分を増やす。二段階目では、同様に型推論器を使用して「凍った」部分を減らす。三段階目では、部分評価器を使用して「一部分が凍った」プログラムを評価する。部分評価時には、凍った部分は dynamic (評価できない部分) として扱うため評価されずにコードとして残り、それ以外の部分は static として評価される。
実装するにあたって、戦略がいくつか考えられたため、今回はそのうちの二つを実装した。一つは最も単純な戦略、もう一つは単純な戦略でうまくいかない例を踏まえ、工夫を加えた戦略である。型エラーの小さなデータセットを使用して、それら二つの評価を行った。結果として、単純な戦略でも8割程度は期待した結果が得られるが、工夫を加えた戦略では全ての例で期待した結果が得られた。
この研究により、型エラーデバッグの際にとりうる手法が一つ増え、前進したといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新たな型エラーデバッグ手法を導入しており、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

次年度、機械学習の知見がある研究者と共同で研究を行う機会があるので、その際にデータを使用する部分についての研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により出張ができず、予定していた学会参加や、大学訪問による共同研究ができなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 型エラープログラムの部分評価2022

    • 著者名/発表者名
      Kanae Tsushima, Robert Glueck
    • 雑誌名

      第24回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ

      巻: 1 ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] 型エラープログラムの部分評価2022

    • 著者名/発表者名
      Kanae Tsushima
    • 学会等名
      第24回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ

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公開日: 2022-12-28  

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